私たちのインフラストラクチャ、LostMyPass.comハードウェアとソフトウェア

高速かつ効率的なパスワード復元のため、独自のハードウェアおよびソフトウェアインフラストラクチャを開発しました。それぞれのサーバーは、パスワードをできるだけ早く見付け出すべく、最大負荷で24時間休むことなく動作します。

パスワード検索の仕組みについてご存じない場合は、まず「パスワード復元プロセス」の項目を一読されることをお勧めします。当項目では、私たちのクラウドサービスのキャパシティについて説明しています。

ハードウェア

私たちのサービスの要となるのは、高性能GPUサーバーで構成されるコンピュータ・クラスターです。Webホスティングやその他のテクノロジー企業がそれを基盤に動いているという点では、これは、一般的なデータセンターと少に似ていますが、1つの大きな違いがあります。私たちのシステムの作業単位は中央処理装置（CPU）ではなく、グラフィックス処理装置（GPU）です。

なぜGPUなのでしょう？GPUはもともと同じタイプの計算を数多く実行するように設計されていたため、私たちのタスクに理想的だからです。CPUと比較すると、GPUのコアは非常にシンプルなアーキテクチャとなっており、このためマイクロチップに非常にコンパクトに配置可能で、同時に多数のコアで並列計算が実行可能です。最新のグラフィックスカードにはそのようなコアが数千も配置されているため、最強レベルのプロセッサよりも数十倍、または数百倍も速く計算が行われます。初期のGPUには非公開のアーキテクチャがあり、3Dレンダリングを主な目的としていました。しかしその後、CUDAおよびOpenCLといったフレームワークは、ビデオカードメーカーにより公開され、これにより、プログラムはグラフィックカードの機能を使用して計算ルーチンが実行できるようになりました。

ひとつのGPUサーバーは、いくつかのトップエンドグラフィックカードを備えた強力なコンピュータです。このようなサーバーは1台で、数百万のパスワードを１秒で総当たりにすることができます。サーバーをクラスターに結合することにより、毎秒数億の検索が可能な高性能システムを実現しています。このアーキテクチャでは、すでに数百のファイルのパスワードを同時に検索することができますが、これはまだ限界ではありません。ハードウェアをアップグレードし、サーバーの数を増やしていくことで、システムを常に改善しています。これにより、ファイルの暗号化に使用されるアルゴリズムが時と共に複雑化しているにもかかわらず、作業速度が向上しています。

私たちのコンピュータ・クラスターには、地理的に異なる場所に位置するいくつかの小さなデータセンターが含まれています。サービス運用を中断させることなく、ハードウェアのアップグレードやメンテナンスなどのために、1台のサーバーまたはデータセンター全体をオフにすることができます。この場合、システム全体の動作は中断することなく続行され、パフォーマンスが部分的に低下するのみです。負荷のピーク時、または一部のサーバーのシャットダウンにより、パスワード復元に通常より長い時間がかかる場合がありますが、サービスが何らかの理由で利用できないことを示すようなメッセージが表示されることはありません。